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将軍に完敗

私の母は、あまのじゃくな私と違ってたいへん素直である。本屋に平積みしてある話題の本を、素直に躊躇せずに手に取って買ってくる。この本たちが、悔しいことにものすごく当たりであることが少なくない。

『チーム・バチスタの栄光』に続いて母に貸してもらったのがこちら。

ジェネラル・ルージュの凱旋(上) (宝島社文庫) Book ジェネラル・ルージュの凱旋(上) (宝島社文庫)

著者:海堂 尊
販売元:宝島社
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ジェネラル・ルージュの凱旋(下) (宝島社文庫)

少し前から映画も公開されて、かなり話題の作品。東城大学医学部付属病院の窓際族<田口 公平>と、厚生省のロジカルモンスター<白鳥 圭輔>の凸凹コンビが送る”メディカル・エンターテイメント”。

今回は、救命救急センターが舞台。センター長は『ジェネラル・ルージュ(血まみれ将軍)』と呼ばれる切れ者の<速水 晃一>。この速水の収賄疑惑を、同期で友人の田口が捜査するはめになる。

最近めっきり”血”の描写に弱くなった私だが、母からこれなら大丈夫と言われた通り、食欲のかたまりである私の腹時計が、昼ごはんを食べる時間を知らせ忘れるという、考えられない誤作動を起こすほどの、”血”の心配も吹き飛ぶ吸引力のある作品だった。

とても途中で本を置くことができない。こんなに医学の専門用語が出てくるのに、そして今回は会議という場で議論を延々と続けるという場面が少なくないのに、ページをめくる手がまったく滞らないのはなぜだろう。

登場人物のキャラクターが魅力的に書きこまれているし、会話をはさんで進む文章のリズムに乗りやすいし、ユーモアを忘れていないし、読者が期待している箇所で爽快感を感じさせる描写がきちんと用意されている。

医療の根幹の一つを担う『救急医療』が、かたや病院のお荷物となる採算のとれない分野となる矛盾を、現場のさまざまな立場の登場人物たちに分かりやすく語らせることで、深刻な問題として浮き彫りにしていく。

『チーム・バチスタ』でも感じたのだが、ラストが私は好きだ。さわやかで、未来に繋がる希望を感じさせる。

知識を得てためになる、考えさせられる、刺激になる、じゃなくて

読書は楽しむためにあるのですsign03

本は喜びのためにあるのですsign03

と、思わず叫び出したくなる気持ちになる作品でした。

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