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Ex Libris: Confession of a Common Reader

表紙のグリーンとクリームイエローの淡い色彩、真ん中に積み上げられた本の上で読書にふける女性、思わず手で撫でたくなるほど、お気に入りのデザインの本です♪

Ex Libris: Confessions of a Common Reader Book Ex Libris: Confessions of a Common Reader

著者:Anne Fadiman
販売元:Farrar Straus & Giroux
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ページ数: 157ページ

―― 結婚して五年、何もかも共有してきた私と夫、いよいよ「本棚」も一緒にすることにした。けれど、本好きであればあるほど、本の並べ方にはこだわりがあるもの。論争の結果、アメリカの本はアルファベット順に、イギリスの本は時代順に並べることに。さて本当に私たちの本棚は結婚できるのだろうか…。(「Marrying Libraries 」より)

―― 兄のKimがホテルで本を開いたまま伏せておいたら、ルームサービス係の人にこんなメモを残された。「お客さま、本にこのようなことをしてはいけません」 私には兄の悔しさがよく分かった。こんなに本を愛する家族はないのに! 本の重さを減らすために、読み終わったページを破って捨ててから飛行機に乗った父親、サウナで本を読むので、ページが熱気でぺらぺらに垂れ下がっていても平気な夫、この人たちのことをあのルームサービス係の人はどう思うのだろう…。本を丁寧に扱う厳粛な愛もあれば、本を乱雑に扱うからこその動物的な愛もあるという本への二種類の愛情の話。(「Never Do That To A Book」より)

他に、ナボコフの作品に15個の誤植を見つけて手紙をナボコフに送った話、作家であった母親の書いた文章が盗作された話、古本が大好きで誕生日には夫が古本屋に連れて行ってくれて8㎏の本を抱えて帰った話など、

作家の両親を持ち、本好きの夫と結婚したAnne Fadimanの、本を愛する読み手のための本づくしのエッセイ集。

作家について

Anne Fadimanは1953年生まれ。父親は、ラジオ・テレビのパーソナリティであり作家でもあったClifton Fadiman、母親は作家であり第二次世界大戦時「Time」等の特派員であったAnnalee Jacoby Fadiman。自身は「The American Scholar 」の編集者であった。「The spirit Catches You and You Fall Down」でNational Book Critis Circle Awardを受賞。

感想

この本の表紙は、今持っている洋書のなかでトップ3に入るくらい好きです。色合いといい、文字のデザインといい、真ん中のイラストといい、ただもう大好き!

中身のほうはと言えば、森の小道を少しずつ確かめて歩いてゆくような、そんな読書を味わうことができました。「森の小道」は何だか綺麗な言葉ですが、実際は森の小道って舗装されていないし、標識もないので、進んでゆくのはけっこう大変なものです。この本も同じで、表紙のおしゃれさにだまされて、手を抜いて読もうとすると一向に先に進めないように出来ています。

道端に咲くそれぞれの花、曲がり角にそびえる大木の名前や生態をゆっくり調べながら行く楽しみがこの本にはあります。

Hardy, Yeats, Milton, Byron, Isak Dinesen, John McGahern, Charles Lamb, Thomas Wolfe, Virginia Woolf(彼女の「The Common Reader」 からタイトルをもらっています) …。

人名だけでなく、私にとっては難しい単語もたくさん出てきます。けれど難しい単語は意味が少なくて、辞書をひくとぴたっと決まります。揺るがせないものが立ち上がってきます。

そのうち、森の切り株に腰をおろして考えごとをするように、こういう読書と同じような生き方が出来ないかなあ、なんて空を見て思ったりしている自分がいます。もちろん、それは、読書が何冊読んだかだけじゃないのと同じように、行動じゃなくて、心のありかたにキーがあるんだろうなー、そんな人間になれるかしら…。(´-ω-`)う~ん

自分ならこうだ! 自分だったらこう思う! 本好きの私にとってそんな風に自分と照らし合わせながら、思い入れたっぷり読めたのも楽しかったです。たとえば、あらすじで紹介した、本に対する二種類の愛情の話。私は本は乱雑に扱うタイプ。開いたまま伏せておくし、書き込みもどんどんするし、どこにでも持っていくので表紙のはしっこが折れてしまったりしているのも…。でもそうやって使い込まれた感じが、親密さの証のような気がします。

それから、本棚を夫と一緒にするという話。うちは夫は実用書ばかり読むので、たぶん一緒にしても(今は別ですが)あまり喧嘩することはなさそう。皆さんどうしてるのかな? 興味津々です(*^-^*)。

A particularly bad moment occured while he was in the process of transferring my Shakespeare collection from one bookcase to another and I called out, "Be sure to keep the plays in chronological order!"

"You mean we're going to be chronological within each author?" he gasped. "But no one even knows for sure when Shakespeare wrote his plays!"

"Well," I blustered, "we know he wrote Romeo and Juliet before The Tempest. I'd like to see that reflected on our shelves."

(「Marrying Libraries」より引用)

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コメント

我が家は完全に共有です。
私の本と夫の本が入り乱れて並んでいます。
洋書は私だけなので、洋書だけ別にしていますが、日本語の本は夫が買った本を私が読んだり、私が買った本を(無理矢理)夫に読ませたり、と区別無く読んでいます。自分では選ばないような本でも、目の前にあるとつい読んでみたくなります。

私が子供の頃はまだそれ程豊かな時代ではなかったので、自分の本はとても大切にしました。その影響か、今でも本は丁寧に扱います。読書術の本などを読むと、印象に残ったところは、赤いペンで印を付けたり、書き込みをしよう、などと書かれているのですが、とても私には出来ません。後で読み返すときに印が付いていると便利だろうなぁ、と思うのですが、ついためらってしまう。貧乏性が消えません。(苦笑)

リウマチばあちゃんさん
そうですか、本棚はご主人と完全共有なのですね!ご主人のお勧めを読んだり、自分の気に入った本を読んでもらったりしたら、きっとご夫婦の読書の範囲もどんどん広がりそうですよね☆ 素敵だなあと思います(*^^*)。

また、本をとても大切にされていて、書き込みなどはされないとのこと、リウマチばあちゃんさんの本に対する愛情が伝わってきました。私が読んだこの本では、本への二種類の愛情について述べられているエッセイがあります。でも、どちらも本への愛情に変わりはないとの趣旨です。でも、さすがに作者の父親の読んだところのページを破った、というのはちょっとびっくりしました(*^-^*)。
リウマチばあちゃんさん、本棚のこと、本への愛情のこと、教えていただいてありがとうございました♪

なんて面白そうな、そして素敵な本!私も、その色合いに惹かれました。本好きにはたまらない本でしょうね(さっそく、図書館のカタログをチェックしたのですが、ありませんでした)。うちの夫が本を丁寧に大切に扱うタイプです。私が本を伏せておいていると、「本を大切するように習わなかったの?」と言われます(笑)。ちなみに私たち結婚、もうじき6年。本棚の結婚はムリと思われます・・・

michiさん
気に入っていただけて嬉しいです!私も表紙のデザインがとっても好きなんです♪ michiさんのご主人はとても本を大切に扱う方なのですね! 私の書きこみした本を見たら、michiさんのご主人はあきれてしまうかもでしれませんね(*^-^*)。本棚は別になさっているんですね。私たち夫婦も結婚して六年目を過ぎたのですが、本棚は別々です。うちも本棚の結婚はいつになることやら…。(´-ω-`)

nikoさん、
わぁ、これは素敵な本ですね。表紙のデザインは、蔵書票ですよね。 むか~し、こんな風な蔵書票の貼ってある愛蔵書に囲まれた暮らしに憧れてたのを思い出しました。 
でも現実では、私は、いつの間にかお風呂で本を読むのがとても好きになり、湯気でへなへなになってしまった文庫本を何冊も持っています。本がかわいそうな気もするけど、ゆっくり湯につかって、好きな時代小説などを読み返す楽しみは、やめられません。

Dillさん
そうか、これ「蔵書票」のデザインだったんですね!(^∀^)ゞ こんなおしゃれなデザインのものもあるんですね。たしかにこんな風に蔵書票の貼ってある本に囲まれて暮らすなんて素敵ですよね。
でも私もDillさんと同じ文庫本をどこにでも持っていて、幸せな時間を過ごす楽しみをやめられません…。Dillさんはお風呂につかって本を読まれるんですね。(*^^*)私もよく日本ではやっていました。至福の時ですよね♪

nikoさん、こんにちは!
雰囲気が変わっていて驚きました♪ホワッと柔らかくて、冬の澄んだ空のなかを結晶といっしょに浮かんでるみたいで素敵です(*^_^*)

ところで、
>本を丁寧に扱う厳粛な愛もあれば、本を乱雑に扱うからこその動物的な愛もあるという本への二種類の愛情の話

ここにビビッときました!
最近 従姉妹の子供と絵本を読んでいて、似たことをグルグル考えていました。
私たちのお題は「優しさってなんだろう」だったのです。
関与する、放っておく、甘い言葉、厳しい言葉…
まだ自分でもよくわからないのですが…

でもnikoさんの最近のエントリーを読ませて頂いてちょっと固まった気分(笑)
「それ」に対する思いやりがあれば、「それ」に対して行った行動は「愛」「優しさ」なんだなーっておもいました。
結局 自分の気持ちに戻るんですね♪
この洋書、いつか手に取れたらいいなーと思います♪
素敵な記事のご紹介を有り難うございました!

びっちゃんさん
コメントありがとうございます♪びっちゃんさんが素敵なテンプレートに変えていて、すっかり私もそんな気分になり、冬っぽいものに変えてみました☆
>「それ」に対する思いやりがあれば、「それ」に対して行った行動は「愛」「優しさ」なんだなーっておもいました。
びっちゃんさんは、いつも私が無意識に確かな形も分からずに紡いだことを、はっきりとした言葉で表してくださいます! だから、私のブログの感想を書いてくださっているのに、逆にいつも新しいことを教えてもらった気になります(^^)。ありがとうございます。
またびっちゃんさんのブログであたたかい文章を拝見できるようにになることを心待ちにしていますね。

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