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The League of Frightened Men

久しぶりに、私好みのミステリーを満喫しましたヽ(^◇^*)/ 

The League of Frightened Men Book The League of Frightened Men

著者:Rex Stout
販売元:Bantam Dell Pub Group (P)
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ページ数: 302ページ

作品区分: ミステリー

ネロ・ウルフ氏のもとに、Mr.Hibbardから、命を守って欲しいという依頼の手紙が送られてきた。大学時代に彼とその仲間たちが悪ふざけをして、後輩に一生残る怪我をさせてしまったのだが、その後輩の男が自分たちの命を狙っている、というのだ。大学を卒業してからも、彼らは怪我を負わせてしまった罪を贖いたい気持ちから、今でも「同盟」を結んだように頻繁に集まり、その後輩に援助をしてきたのだが、今になって「同盟」のメンバーたちに殺人の予告状が送られはじめた。そして、メンバーの一人が崖から落ちて死亡したという。警察は事故死というが、Hibbardたちはその後輩が殺したに違いないと、震えあがっているというのだ。

そして、一生残る大怪我を負わされた男というのが、新聞で話題になっている、自分が犯した殺人の内容をつづった本を出版したというPaul Chapinであることが分かり、にわかに興味を持ったネロ・ウルフは早速Mr.Hibbardに連絡をとるよう、助手で私立探偵のアーチー・グッドウィンに指示をする。

しかし、連絡がとれたのはMr.Hibbardと同居している姪。彼女によると、Hibbardは4日前から行方不明だという。そして第二、第三の殺人が…!? ―― 犯人は一体誰なのか? 殺人の予告状は誰が書いたものなのか? 戦々恐々としている同盟のメンバーたちの命は果たしてどうなるのか? ―― 

外出嫌いで美食家、130キロあまりの巨漢、ネロ・ウルフと、活発で社交的な助手役、アーチ・グッドウィンの名コンビが事件解決にのりだします!

作家について

Rex Stout(1886-1975)は、アメリカ、インディアナ州に生まれる。学校における金融システムを考案し、400もの地域で導入され成功を修めた。社会問題に非常に関心が高く、第二次世界大戦中には反ナチズムを訴えるなど、精力的に活動した。1934年、最初のネロ・ウルフ作品を執筆。その後も次々に作品を発表、ネロ・ウルフ・シリーズは全部で73作にのぼる。本作品はシリーズ第二作目(1935)。

感想

知的でユーモアのあふれる会話、しっかりした謎解きと、キャラクターが魅力的な主人公たち、この三点が揃っているミステリーというのは、私的には、いちころ、どはまり、ストライク、でございます。

ネロ・ウルフ氏は、外出嫌いで、蘭の手入れが趣味、美食家で、体重は130キロにのぼります。そんな彼の右腕、ワトソン役の私立探偵、アーチー・グッドウィンは、ネロ・ウルフに反して、活動的で社交的で、本作品から推測するになかなか女性にもてるようです。

シリーズはファンも多く、Wikipediaにたっぷりと彼らの人となりが説明されていますので、興味のある方は覘いてみてくださいね。(こちら

語り手、アーチー・グッドウィンの一人称で物語は進んでゆきます。ネロ・ウルフ氏は外出嫌いですから、必然的にアーチーが外に出て捜査をし、それを「安楽椅子探偵」であるネロ・ウルフが解決するというパターンになります。そしてタイプの正反対な二人の会話には、思わずくすっと笑ってしまいます。特に始めのほうで、Mr.Hibbardからの依頼の手紙を彼になりきって読みあげるアーチーと、それにつっこみを入れていくネロ・ウルフのやりとりは、掛け合い漫才のようでした!(‐^▽^‐)

けれど、吹き出している私に、ネロ・ウルフ氏の鋭いお言葉が…

"To assert dignity is to lose it."

"If you eat the apple before it's ripe, your only reward is a bellyache."

"In any art --and I am an artist or nothing-- one of the deepest secrets of excellence is a discerning elimination."

この世の中の真理をついた言葉たち(アフォリズムというのだそうで…)が、また本シリーズの魅力なのです。そして私のツボなのです。

残念なことがひとつ、ネロ・ウルフ氏が美食家であるということで、本作品に美味しいものがたくさん出てくることを期待していたのですが、

……ネロ・ウルフ氏はビールばっか飲んでましたね。(´-ω-`)(アーチーは牛乳ね)

正直言いますと、今回はネロ・ウルフ氏の、持って回った知的な表現に、いささか苦労しました。(私の語彙力がないってことなんですけどね…)しかし、だからといって氏の魅力が劣ることは、みじんもございません!

最後に、本作品の始めのほうで、退屈すぎてうんざりしているアーチーにネロ・ウルフ氏が投げかけた言葉を引用したいと思います。ちょっと長くなりますが、おつきあいくださいね。

"Archie. One would know everything in the world there is to know, if one waited long enough. The one fault in the passivity of Buddha as a technique for the acquisition of knowledge and wisdom is the miserably brief span of human life. He sat through the first stanza of the first canto of the preamble, and then left for an appointment with ……let us say, with a certain chemist."

―― 恐れ入りました。

「謎解き」については、読んでからのお楽しみということで。

皆さん、どうか一度、ネロ・ウルフ氏に会ってみてくださいな。(*゚▽゚*)

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コメント

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面白そうですね。

ネロ・ウルフの設定、体重130キロが気に入りました。

ファンタジー以外で、ウルフを超える重量級の主人公は出てきそうにありませんね。

美食家でもビールばかり飲んでいるのは僕にはありがたいかも。
植物・動物・料理の英単語は、自分の大の苦手。

自分自身、美食家ではないので、洋書に登場する料理がわからず苦労すること多々あり。
辞書で調べて名前がわかっても、その料理自体が???なこと年中。

何かの本で、洋書を読んでいて出てくる花は全て「バラ」で済ます、という人の話を読みました。

自分の場合、洋書に出てきた料理はたいてい、牛肉系、としています。

ネロ・ウルフ、読んでみたくなりました。

まさんたさん
コメントありがとうございます。ネロ・ウルフ氏が気に入っていただけたようで(!?)嬉しいです(*゚▽゚*)。
料理の言葉、苦手だということですが、私も辞書で調べたあとでも、いったいどんな味のする料理か不明なこと、けっこうありますねー。でも不器用ながら料理をする身だからなのか、食事の描写は好きです。

nikoさん
私も130キロの探偵というのに、思わず笑ってしまいました。しかも、この本、結構古いのですね。1935年というから、まだ戦争前。ふと、The Untouchableを想像してしまいましたが、マフィアは出てこないですよね。でも、そんな時代のアメリカのミステリーも面白そうです。

michiさん
こんにちは。
130キロもあるのに、外出嫌い。運動しなくちゃ体に悪いですよね…(余計なお世話だと思いますが)

残念ながらマフィアは出てこないのですが、けっこう古い時代の本です。自分が生まれるずっと前の物語に触れられるなんて、「本」ってすごいですよね(*゚▽゚*)。

nikoちゃんこんにちは!

最近の記事を斜め読みしましたが、うーんやっぱり、これだけの文章が書けるってすごいよ!
なんかね、時々自分に照らしてぐっとくる内容のものがありました。
深読みするなんて、まさに今私の課題だったり(私は楽譜だけどね)。
キリスト教の精神世界に、私も一時期興味があって少し勉強してたり(私は日本語だけどね)。

仕事以外で、こうして勉強している人の様子を知ることは、私自身にとっても励みになります。
また時々のぞきにくるね。リンクいただいて帰りまーす(^ー^)

みど丸さん
来てくれて、どうもありがとう!しかもお褒めの言葉をいただいて、とっても嬉しいです!でも、まだまだ分からないことだらけだわー。

楽譜を読みこむって活字読むより難しそうだね。キリスト教のことは、理解するのに何だか遠い道のりになりそうだしね。また今度ゆっくり色々教えてね。(今度ってちょっと先になっちゃうと思うけど(*^^*))

みどさんのブログにも、これまでと同じく、癒されにちょくちょく飛んでいきたいと思ってます。ありがとうね。

nikoさん、こんにちは!
先日nikoさんのブログをたまたま見つけて
初コメントしたわかめです。
nikoさんのステキな文章にすっかりはまり
ブログの日記を一日ですべて読んでしまい
読んでみたい本のリストが
たくさんできてしまいました。
実は読みかけの本があって、いまいちの内容だけど、とりあえずそれは読み終わらせようと思ったのですが
どうしても集中できず、それは投げ捨て
翌日さっそく図書館へ!
アメリカに住んでいるので目当ての本が全部揃い
読みきれるわけないのに全部借りてしまいました。
一番最初に読んだのが
ネロウルウシリーズの「Gambit」です。
ちょっと古臭い英語がたまらないですね。
平易な英語だし面白くてあっというまに読み終えました。今「The Mother Hunt」を読んでいます。
時々アーチーがウルフに「Sir」を使いますが
年齢差はどれくらいなのかしら。
気になる用語遣いです。
たくさんいい本をご紹介いただき
本当にありがとうございました(o^-^o)
これからも楽しみにしております!

わかめちゃんさん
わかめちゃんさんは、アメリカにお住まいなんですね!図書館で借りたい放題、とってもうらやましいです!このミステリーは、ネロ・ウルフとアーチーのやりとりがツボだったような記憶があります。二人は結構年齢差、あるのではないかしら。ぜひ、また他の本でもかまいませんので、読んだ感想を教えてくださいね。どうもありがとうございました。

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