« 洋書と英語 | トップページ | The Burn Journals »

To the Power of Three

予想以上のジョージア州の寒さに風邪をひいてしまいました。が、この本を閉じられず、ついつい夜更かしに…。長い夜に、こんなミステリーはいかがでしょうか?

To the Power of Three Book To the Power of Three

著者:Laura Lippman
販売元:Avon Books (Mm)
Amazon.co.jpで詳細を確認する

ページ数: 416ページ

作品区分: ミステリー

Josie、Perri、Katの三人は、誰もが認める、小学校からの十年来の大親友。そんな三人が通うボルティモアにある高校で銃声が鳴り響いた。殺されたのはKat。Josieは右足を撃たれ、銃を撃った犯人と目されるPerriは、自分を撃って意識不明の昏睡状態だった。駆けつけたLenhardt巡査部長は首をかしげた。女子トイレは内側から鍵がかかっており、二つの個室にも鍵がかかっている。他に誰かいたのだろうか?

Katは学校中の人気者で、成績も良く、美人で、誰にもわけへだてなく優しく、さらにこの町をつくったとされる宅地開発会社の社長の一人娘。Perriは、いつも面白いアイデアで人を笑わせる、ドラマ・クイーン。Josieは、運動神経が抜群で、スポーツ選手として奨学金での大学入学が決まっていた。

Lenhardtは目を覚ましたJosieに、何が起こったのか聞き取りを開始するが、彼女は「黙ってPerriが入ってきて、私たちを撃ち、そのあと自分を撃った」と答えるだけ。LenhardtはJosieが何か隠しているのではないかと考える。去年から三人の仲がぎくしゃくしはじめた噂を聞き、周囲の人間から情報を収集しようにも、要領を得ない言葉ばかり返ってくる。

――あの日、女子トイレの中で何が起きていたのか? Perriはなぜ撃ったのか? 三人の他に第四の人間がいたのか? 最後までページをめくる手が止まりません…

作家について

作家のLaura Lippmanは、十二年間「ボルチモア・サン」紙の報道記者をつとめ、その後作家に転身する。「Tess Monghan」シリーズ(私立探偵テス・シリーズ)では、アガサ賞、エドガー賞、アンソニー賞など、各賞を総なめにした。本作品はスタンド・アローンもの(単独作品)。

公式サイト→ http://www.lauralippman.com/

感想

この作品では最初に事件が起こり、その後ほとんどは三人の女の子の描写に費やされています。そして子供たちを育て形づくっていく、周囲の大人たちの描写にもページが費やされています。作者は、彼らをどういう人間か決め付けるような言葉は使いません。ただ、彼らがどんな会話をし、どんな場所へ行き、何を考え、何をしているのか。それを具体的に淡々と書き連ねていきます。多くはこの事件と直接関係ないようなことばかりです。けれど人の死に、家族や友人や関わった人の行為が全く無関係であることなどないのかもしれない、と本を読んでいるうちに思い込まされていきます。現代のさまざまな問題もうまく取り入れられていて、読み進めていくうちに、三人の女の子をはじめとする、登場人物たちの姿がどんどんクリアになっていき、ひきこまれていきます。

またその事実の明かし方がうまい!(って私に言われたくないと思いますが)徐々に、薄皮をはがすように核心にせまってゆきます。さすが賞をたくさん取っている作家だけありますね!(って私に言われたくないと思いますが)2005年に出版されていますが、いまどきのテレビ番組や映画、お店の名前などがたくさん出てきます。アメリカの情報がこれだけ流れてくる現代、そういう単語もアメリカ豆知識的な要素として楽しめるのではないかと思います。

私は、人間の中には得体の知れない、どろどろとうごめく「何か」が住んでいると思っています。それに気づいていない人もいるし、気づかないふりをしている人もいるし、それに取り込まれている人もいるし、それを消し去ったり、それと調和できている人もいると思います。けれどその「何か」は時として、人を死に至らしめたり、壊してしまうことがあります。良いとか悪いとかの判断はできないほどの、その「何か」が知りたくて、私は本を読んでいるのかもしれません。(他の理由もありますが)作者のローラ・リップマンは、「ミステリー」あるいは「サスペンス」の分野の本作品で、それを書こうとしたのだと、わたしは思います。

ところで今朝、ここジョージア州は華氏35度だったですよー。摂氏約1.6度のことです(´-ω-`)。暖房がんがんかけております。なぜに南部というだけで暖かいと思ったのか、単純な自分が情けなく思う今日この頃。

でもおかげで風邪は治りました(^∀^)ゞ

にほんブログ村 本ブログ 洋書へ

« 洋書と英語 | トップページ | The Burn Journals »

コメント

はじめまして。
私も、本好きで、外国住まいで、車の運転が不自由で不便をしていて、nikoさんに親近感をもってしまいました。

でも、英語の本の敷居が高くてほとんど読まないので、本に飢えているところが大違いです。 やっぱり英語の本を読もうかな、なんかいい本ないかな、とインターネットをしていて、こちらのブログにおじゃましました。 

この本面白そうですね。YAの本としても楽しめる内容なのでしょうか、それとも、この本の核心はもっとずっと大人びたものでしたか? 13歳のミステリー好きの娘といっしょに楽しめそうなので、注文しようかな、と迷っているところです。(家に本があふれているので、できるだけ図書館で済ませるのですが、この本は図書館にないようなので。。。)

これからも本の紹介を楽しみにしています。

ぱくちさん、はじめまして。ようこそお越しくださいました。
同じ外国暮らしで、車の運転に不自由していて、そして本好き(!)とのこと、とても親近感を感じます(*^-^*)

さて、この本ですが、YAではないようです。もちろんぱくちさんも一緒に読んで、三人の女の子(高校三年生です)の気持ちについて娘さんと話し合うにはとても良い作品だとは思います。けれど、時々13歳の娘さんには、まだ早いかなあと思われる描写もあります。一度目を通されてから、娘さんに勧められたほうがいいかもしれません。(*^^*)

ぱくちさんのお宅には本があふれているんですねー。いいなあ、素敵だなあ。私は思い切ってたくさん日本に置いてきてしまったので、ただ今本棚はすかすかです。これからもこの本棚を埋めるべく、楽しく読み続けていきたいと思いますので、また時々ぜひ覘いてくださいね。

アドバイスありがとうございます。 気長に待つことにして、図書館に購入リクエストしました。 

新しい本箱、ってうれしいですよね。 どんな本が入るかなって、わくわくします。nikoさん、いいな。
うちは、こちらに3年目、もう本棚はきちきちです。引越しになったら、半分以上捨てなきゃいけない、と思うと、本がなかなか買えません。 残念。

ぱくちさん
 そうなんです。持っていた本をほとんどゼロにして、また新たに本を買いはじめるのって何だかわくわくします(*^-^*)ぱくちさんはもう海外暮らしは三年目になるんですね。頼りがいのある先輩と知り合いになれた気持ちで、何だかとても心強いです。これからもよろしくお願いいたします。
 

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/166513/4274223

この記事へのトラックバック一覧です: To the Power of Three:

« 洋書と英語 | トップページ | The Burn Journals »