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Out Of the Dust

Out of the Dust (Apple Signature Edition) Book Out of the Dust (Apple Signature Edition)

著者:Karen Hesse
販売元:Little Apple
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ページ数:227ページ

対象年齢:9歳から

主人公Billie Joeは、りんごが好きでピアノを愛してやまない女の子。オクラホマで小麦などの農作物をつくって働いている父親と、美味しいケーキやアップルソースを作ってくれる母親と暮らしています。しかしBillie Joが14歳の1934年から、彼女の人生に暗い影がちらつき始めます。

1929年に起こった大恐慌の影響はしだいに深刻化していき、さらに1934年からは、オクラホマを含めたアメリカ中南部が、日照りと砂嵐の被害にみまわれます。小麦はだんだんとれなくなり、水は乏しくなり、定期的に砂嵐がやって来ます。Billie Joにとってピアノをひくときだけが、生活の苦しさを忘れさせてくれる時間でした。

しかし、ある惨事がBillie Joの家で起こります。この事故で、母親はおなかの中の赤ちゃんと一緒に亡くなり、Billie Joは手を怪我してしまい、ピアノをひくことが難しくなってしまいます。一方、生活はますます苦しくなり、人々は土地を離れてゆきます。

ーー母親を亡くし、大好きなピアノをひけなくなったBillie Joは、砂ばかり吹き荒れるオクラホマでどのように生きていくのでしょうか。

Karren Hesse

作者Karren Hesseは1952年メリーランドで生まれた。1971年に結婚したあと、大学で詩のライティングのクラスをとり、ピザ屋の店員、ベビーシッターから図書館員までさまざまな職業を経験し、1982年に児童書の執筆をはじめる。あちこちの出版社に断られ続け、最初の作品が世に出るまで9年かかったという。本作品は、スコットオデール賞等、7つの賞を受賞した作品である。

感想

どんなに辛い境遇でも、日々の生活って続いていくものですよね。Billie Joeも同じです。ピアノがひけなくても、母親を恋しく思っても、父親が自分に無関心だと感じて寂しい思いをしても、毎日の暮らしは続くし、砂嵐は終わりません。でも、だからこそ、新しい人との出会いがBillie Joeに訪れます。そして辛い生活がちょっとずつ変わっていきます。

この本は長い散文詩のような形で書かれていて、Billie Joeの心の声をじかに聞いているような気持ちになります。さらに、読みながら「世界大恐慌」や「ニューディール政策」、"Dust Bowl"と呼ばれたアメリカ中南部一体のかんばつ被害について、学べるようになっています。後ろに詳しい説明までついています。アメリカ版夏休みの「課題図書」な感じは否めませんが、

しかし、最後に私、泣いてしまいました。(よく本読んで泣くので涙の価値は??)

生まれてきた時代のせい、生まれてきた国のせい、生まれてきた街のせい、家族のせい、学校のせい、友達のせい、自分の人生を周りのせいにしてしまうこと、私にはよくあります。けれどBillie Joeは、最後に自分の人生を自分でしょって立つ覚悟をします。辛い状況のなかで、前を向いて自分なりに精一杯生きていこうとする姿勢は、たとえ現代であれ、たとえ日本人であれ、変わらない感動を与えてくれると思います。超お勧め!!

      

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